医療用ウィッグとファッションウィッグの違い

ウィッグを楽しむために
つきみ
つきみ

ウィッグのお仕事歴15年。普段は下は5歳〜上は80代まで幅広い年代の方のウィッグの作成や修理、ウィッグご愛用者様の自毛のメンテナンスなどをしています。これまでの経験で得た知識やお客様との会話をもとに、ウィッグが楽しくなるような情報をお伝えします!

脱毛症や病気の治療などで急にウィッグが必要になった時、あまり時間もない中でウィッグを探さなくてはいけません。

見た目は同じようだけど、「医療用」とそうじゃないものって一体何が違うんだろう??

ネットや人工皮膚などのベース素材や毛量、髪質など、実は結構違っているのです。

ここではその2つを比べて解説していきます。

医療用ウィッグの構造

医療用ウィッグとは、その名の通り「抗がん剤治療」や「脱毛症」など、病気による脱毛で使われることを想定して作られたウィッグのことを言います。

ベース素材、、、ほとんど髪の毛がなくなってしまっても心地よくつけられるように、伸縮性のある生地や、柔らかいネットが使用されています。色も黒や茶色など暗く濃いものを使用しているので、もし風が強い日に髪がめくれ上がっても心配ありません。

人工皮膚、、、医療用ウィッグは「脱毛前と同じように快適に暮らす」ことを目的として作られています。ほとんどの製品に上から見られた時でも地肌に見えるような素材が貼ってあります。これが「人工皮膚」です。人工皮膚の範囲内であればどこでも好きなところに分け目をつけることができます。

毛量、、、カットして使うことを前提として作られているものは、少し多めに植えてあります。毛量や長さなど、自分用にカットすることで脱毛前のヘアスタイルに近づけることができます。

髪質、、、人毛100%や人毛と化繊毛のミックスなど、全体もしくは部分的に人毛が使われていることが多いです。

ファッションウィッグの構造

医療用ウィッグじゃないフルウィッグのことを「おしゃれウィッグ」「ファッションウィッグ」などということがあります。医療用がおしゃれじゃないという事ではないので誤解しないでくださいね(笑)

ベース素材、、、自毛があることを前提として作られているので、目の粗いネットや、レースで作られているものが多いようです。通気性も良く軽いので、長時間つけていても負担が少ないでしょう。脱毛した状態でつける時はインナーキャップなどで地肌を守ってあげましょう。色の暗いものがおすすめです。

人工皮膚、、、ついているものとそうじゃないものがあります。医療用のように普段使いだったり周りにバレたくないような場合には、人工皮膚がついているものを選びましょう。逆にヘアスタイルを楽しむことを目的とし、周りにカミングアウトもできるようなら人工皮膚にこだわらなくても大丈夫です。

毛量、、、医療用に比べると若干少なめのようです。ただ、自毛の上からつけることがほとんどのため、毛量が少なすぎて使えないなんてことはありません。

髪質、、、化繊毛で作られているものがほとんどです。

まとめ

今回は「医療用ウィッグ」と「ファッションウィッグ」をベース素材、人工皮膚、毛量、髪質でそれぞれ比較してみました。やはりこうやって比べてみると、抗がん剤治療や脱毛症などには医療用ウィッグを。コスプレや気分転換など自毛がある状態ではファッションウィッグを、、、といったところでしょう。髪質はもちろん人毛が入っているものが見た目も自然でおすすめですが、今はネット通販でも3万円ぐらいから人毛入りのウィッグが購入できます。オンとオフで長さや色違いを用意しても楽しいですね!